July 16, 2003

グローバルスタンダードからローカリティへ

CNET JAPAN

東京大学教授でTRONプロジェクトのリーダーを務める坂村健氏が8日、富士総合研究所主催のイベントValue Forum 2003にて特別講演を行った。坂村氏はその中で、「1990年代はグローバルスタンダードが叫ばれた時代だが、21世紀は現場の状況を重視するローカリティの時代だ」と、一風時代を逆行しているとも取れる意見を述べた。

坂村氏の意図するところはこうだ。「ユビキタス社会に必要なのは、その場その場の状況やニーズにあったサービスを提供すること。何でも世界標準にあわせることが重要ではない。これまでの技術力では、標準にあわせることで開発も楽になりコストも削減できた。しかし今では技術も十分発達し、現状認識のできるコンピューティングの世界が可能となった。われわれも日本のニーズにあったユビキタス社会を作ればいいではないか」(坂村氏)

同氏はまた、米国がグローバルスタンダードに従っていないことも指摘する。ISO(国際標準化機構)がメートル法を標準だとしているにもかかわらず、米国ではまだフィートやインチを使っていることを例に出し、「自国の利便性を最優先するアメリカがうらやましい」と皮肉る場面も。「無線IDの周波数もアメリカは当然のように国際標準に従っておらず、同国が最初に実験した周波数をそのまま使い続けている」と坂村氏。その裏には、標準が決まりつつもまだ多くの国で標準が採用されていない無線IDの周波数について、日本も独自の周波数を採用すべきだとの思いがあるようだ。

Posted by 門番 at July 16, 2003 11:00 PM | トラックバック

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